「決闘は、男と男のロマンだ」とそう音に告げる神楽木。
そのぎこちない笑顔の下の思いには、もう何の迷いもない真っすぐな瞳がありました。
今回の10話は、次に決着がつくその決闘のための入り口のような形となって展開していきます。
さあ、いよいよ最後に向けて登場人物全員が動き出した「花晴れ」の10話を振り返って、
最終話へ向かいましょう。
父親からの無謀な要求
何においても完璧を求める神楽木の父親が急に訪れた天馬くんと晴に向かい武術においての試合を提案します。
天馬くんは、いわゆる「努力家にて秀才型」。
武術も弓道、柔道、剣道と校内では一番とのこと、全国優勝も果たすほどの猛者。
そんな天馬くんに対し、神楽木の父親が思いついたのが我が子をその天馬くんにぶつけること。
しかも条件までつけての試合という内容です。
それでなくてもヘタレで負けてばかりの晴に対し、いつも本人以上のもどかしさを感じていた父親から、
そのヘタレを逆手にとって、負けたことを理由にスイスへの留学を画策していました。
すべてにおいて完璧を求める父親にとって、今の晴は、なんとしてもしっかりしてもらいたい息子であり、
父親の努力によって世界的な企業へと発展を遂げた会社を受け継ぐには、
晴には満足せずもどかしい気持ちでいつもいたからです。
受け入れた晴の思い
晴は、最初から天馬くんが武術に優れていることをよく知っています。
それなのに、どうしてこの無謀な提案を受け入れのでしょう。
天馬くんが神楽木の部屋を訪れた時に、晴は自分をどんなに暗示にかけても、
どうしても音のことが好きだということを確信します。
そしてメグリンのこと以前に天馬くんにその気持ちをストレートに伝えてしまいます。
そこが晴の一番の魅力でもあり、だからこそC5のリーダーなのですが、
思ったことに正直で、ヘタレだけれど真っすぐなのが晴の持ち味です。
幼い頃から父親に認めてもらいたい一心で、できもしないことを何でもやろうとしてみたこと、
それができずに悩み苦しみ、本人いわく「こじらせている」ことは、すべて晴の人柄そのものです。
ここでは、父親からの提案ということで、
音のことを含めさらにハードルが上がってしまった結果となってしまいましたが、
誰が見ても無理と思うことでも、それに立ち向かうひたむきさがよくわかるシーンでした。
音の口癖~だね
音には、何か自分が完全に納得してない時、そして納得はしていないけれど、
それがいいことなのだという思いを語る時の口癖に「~だね」というのがあります。
その時の音の表情は、伏目がちのどこかいつもさみしい表情をします。
音は、家が倒産し、お金持ちという人が羨む生活から一気に庶民へと転落してしまった女の子。
高校生くらいの一番多感な年ごろに起こる事件としては、
想像もできない程の哀しみを背負って生きています。
そんな中での唯一、自分達を支えてくれているのが天馬くん一家です。
その天馬くんに「神楽木のことが好きになりました」など言えるわけもありません。
音もまたいい子過ぎて、なんでも自分で抱え込んでしまう女の子です。
だから自分も母親を守るためにも天馬くんを傷つけないためにも
なんとか天馬くんが一番好きな存在なのだということを自分の中で思い込ませるようにしています。
でもそこは、やはり高校生。
どんなに自分が「いい子」でいようとしても気持ちがどんどんこぼれてしまいます。
音は、小さい頃からずっと好きでいてくれた天馬くんを悲しませたくない。
貧乏になってしまった自分にさえやさしくしてくれる天馬くんを
好きでいたいと必死に自分の気持ちをコントロールしようとしているのでした。
音、メグリン、愛莉はみんないい子
この3人のだれかが、もし性格が悪くて、好きな人のことに一生懸命な女の子たちではなかったとしたら、
もっとスムーズに話が展開したかもしれません。
ですが、最初こそ警戒心からも愛莉が音に手を出して来たものの、今では本当に分かり合える様子です。
そして紺野さんがお姉さんのように愛莉やメグリンが慕ってアパートに来ている姿に、
メグリン、愛莉のいい人間関係すら生まれてきているようになってきました。
今の時代、相手に何かを伝えたければ、LINEでもTwitterでも直接会わずに連絡することは難しくありません。
それをわざわざ紺野さんのアパートに集まって来る。
というのは、今を生きる若者にとっても人との繋がりを肌で感じたい気持ちの表れではないでしょうか。
直接会って、その人と話すコミュニケーションは、
SNSでは得られない大事なものだということを教えてくれます。
練習が始まる~西門さんついに登場~
武術を一度も経験したことのない神楽木が、1か月の間にその3種目を習得することは、
だれが考えても無理でしょう。それを負けると思わず応援すべきといったのは音でした。
音は、気が付いていませんが、心の中では神楽木を信じていて、
C5が誰もが負けると思っていることに強い疑問を持ちます。
自分は天馬くんを応援するのだから、神楽木にも応援してくれる人がいるべき。
神楽木を支えて欲しいそんな強い気持ちからC5にやる気を起こさせます。
廊下ですれ違った時に「決闘は男と男のロマンだからな」と神楽木には、
笑顔の下に自分にけじめをつけようとする思いが感じられます。
そこにいるのは、弱くヘタレではあっても心が真っすぐになった神楽木のすがすがしささえ感じられます。
負けるかもしれないが全力でぶつかろう。
そんな気持ちがこの10話の一番神楽木が輝いていたシーンではないでしょうか。
そんな中、まったく的にさえ届かなかった弓道の師匠が突然現れます。
それがF4の西門総二郎さん。西門さんは、日本で屈指の茶道の家元。
茶道や華道など日本の作法は、ある一面で繋がりがあります。
西門さんと知り合いだったことを一茶は、これまで一度も言ったことはありませんでしたが、
そんな関係から今回の弓道の師匠となって現れます。
前回の「花より男子」から見る西門さんは、変わらず家元らしい背筋の通った佇まいで、
すらっとした長身に袴姿が良く似合います。
その西門さんの指導のもとめきめきと上達する神楽木です。
弓道は、真っすぐ引くのと同時にそのままの位置で矢を離すのがなにより難しいものです。
その自然な引き方ができるまでにも時間がかかりますし、
引けるようになってからも狙いのままに矢を放たなければ的にあたりません。
そんな動作を一度に習得するために西門さんがやってきました。
帰りに携帯電話で最後のF4のあきらに電話で様子を話すところを見ると、
あと残り一話でのあきらの出演はなさそうです。
まとめ
とうとう試合が始まり、出だしから神楽木が手首を負傷したようです。
この先の試合にどう響くのかが気になるところです。
そして帰り出そうとした神楽木の父親が最後まで自分の息子を見るのか、
引き留めるのは音なのかも気になるところです。
あとは、みんなが納得する展開で最後に向かって欲しいですね。
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